はじめに
スクワットで最大限の効果を出すなら上記のようなバックスクワットをウエイトトレーニングとして行うのが最もおすすめです。
バックスクワットを選ぶメリットとしては、
数あるスクワット系トレーニングの中で最も重さにこだわることができるから
つまり、筋力アップに最適なんです。
そして、重さにこだわるなら女性よりも男性のニーズの方が多くなると予想できます。
そこで、本記事では男性がバックスクワットで重さにこだわった結果、
期待できる効果について説明していきます。
※自重スクワットから始めたいという人はコチラをどうぞ。
スクワットで期待できる主要な3つの効果
下半身の最大筋力アップ
最大筋力とは文字通り筋力の最大値のこと。
スクワットでいうならどのくらい重いバーベルを担いで行えるか?
そして、最大筋力といえばマックス測定。
要は、なんとか1回だけちゃんとできる重さは何kgか?の測定ですね。
さらに、最大筋力にも以下のように2通りあります。
- 低速での最大筋力
- 高速での最大筋力
スクワットの効果で高めることができる最大筋力は下半身の筋肉(主に大殿筋、大腿四頭筋、ハムストリングス、下腿三頭筋)で、なおかつ低速での最大筋力です。
原則、スクワットで高速での最大筋力をアップさせることはできません。
高速での最大筋力をアップさせるなら、スナッチやクリーンなどウエイトリフティングの種目をやるのが最も効果的です。
下記は高速でバーベルを頭上まで持ち上げるスナッチの連続写真。
下半身〜体幹にかけての筋肥大
筋肥大をわかりやすくいえば筋肉量を増やしていく作業です。
筋肥大については下半身だけではなく体幹から上半身の筋肉にも効果があります。
これは重たいバーベルを支えるためには腹圧を高め、背骨のS字をキープしていなければならないからです。
ちなみに、
肥大というとゴリマッチョ一択のようなイメージがあるかもしれませんが、ゴリマッチョになるかどうかは
- トレーニングを漸進的※に行っているか
- 一定の頻度で継続してトレーニングしているか
- 筋肉の成長に必要な栄養素をタイムリーに摂取しているか
- 鍛えるだけではなく休息もとっているか
などこの辺りが密接に影響してきます。つまり、一切の妥協なしに徹底的にこだわってトレーニングしないとゴリマッチョにはなれません。
さらにゴリマッチョになるにはスクワット以外のトレーニングも必要で、上半身も体幹も下半身同様に高負荷をかけながらトレーニングしないと無理。
当たり前ですがやったりやらなかったりでは筋肉は成長しない。
そしてトレーニング前に必要な栄養素を摂取しないとエネルギー源となる糖質が切れて動けないし、トレーニング後も45分以内に必要な栄養素を補給するなどの管理をしなければなりません。
もちろん、鍛えた筋肉の回復や成長のためには休息も必要です。
筋持久力のアップ
スクワットで筋持久力をアップさせたいというニーズは男性よりも女性に多くみられます。
しかし、男性であっても持病があったり高負荷を避ける理由のある人は筋持久力アップを目的でスクワットを行うことになります。
筋持久力のアップが目的の場合、重さは最大筋力の60%を目安とし、反復回数も15〜20回を3セットという具合に回数を多くやることになります。
具体例としては、
スクワットの最大筋力(100%)が100kgの男性なら60kgの重さを選ぶことになります。
もちろんこのやり方では最大筋力のアップも筋肥大の効果もありません。
高重量でスクワットを行うために
最大筋力をアップするには
最大筋力をアップさせたいなら最大筋力の85%以上の重さでトレーニングする必要があります。
具体例としては、
スクワットの最大筋力(100%)が100kgの男性なら85kg以上の重さでスクワットを行う。
そして、反復回数は多くても5回まで。
これはギリギリ5回ならできる重さ(5RM)を選ぶということです。
筋肥大するには
筋肥大させたいなら最大筋力の70%以上でトレーニングする必要があります。
具体例としては、
スクワットの最大筋力(100%)が100kgの男性なら70kg以上の重さでスクワットを行う。
そして、反復回数は10回を目安にしてください。
これはギリギリ10回ならできる重さ(10RM)を選ぶということです。
重さの設定以外に重要な要素
目的が最大筋力のアップであれ筋肥大であれ、ただ重さをアップさせるだけではなく、どこまでしゃがむかを意識するのも重要です。
結論からいって効果を出すために最もすすめたいのは太もも裏が床と平行に近くなるまでしゃがむパラレルのスクワットです。
こんな感じです。↓
パラレルまでしゃがめば下半身の筋肉はもちろん体幹の筋肉にもまんべんなく十分な負荷をかけることができます。
フルスクワットとはこんな感じです。↓
目的別にスクワット効果を出す方法
とにかくマッチョになりたい
細マッチョではなくムキムキのゴリマッチョになりたい
そんな人に必要なのは筋肥大です。
先述の高重量スクワットでスクワットを行うためのポイントにある通りに実践しましょう。
そして、当然ながらスクワット以外にも高重量でウエイトトレーニングの種目を行う必要があります。
最低限これだけはというのをあげると、
フリーウエイトを中心にするなら、
- スクワット
- デッドリフト
- ベンチプレス
- チンニング
- ベントオーバーロウ
デッドリフト↓
ベンチプレス↓
チンニング↓
ベントオーバーロウ↓
フリーウエイトではなくマシントレーニングを中心にするなら、
- スクワット(スミスマシン)
- レッグプレス
- チェストプレス
- ラットプルダウン
- シーテッドロウイング
スクワット(スミスマシン)↓
レッグプレス↓
チェストプレス↓
ラットプルダウン↓
シーテッドロウイング↓
そして、絶対に欠かせないのがプロテイン
トレーニング終了後45分以内にプロテインを摂取するか否かで見た目に大きくなるかどうかは全く変わってきます。
細身のアスリート体型を目指す
わかりやすくいうと野球やサッカーで細身に見える選手のような体型です。
球技の場合はウエイトトレーニングをするにしても相対的に上半身よりも下半身のトレーニング量が多くなります。
ですから、スクワットをトレーニングの中心にすることは細身のアスリート体型を目指す上で理にかなっています。
先述の筋肥大のやり方でスクワットを行いましょう。10RMの数値が上がれば上がるほど効果は現れてきます。
ただし、以下の2点には十分に注意してください。
- スクワット以外のトレーニング
- 食生活
細身のアスリート体型を目指すならスクワットで筋肥大するだけではなくランニングやその他の有酸素運動で脂肪燃焼の効果をさらに高めた方がいいし、上半身のトレーニングも適度に取り入れるべきです。
例をあげると、
- スクワット
- ランニング
- ベンチプレス
- チンニング
そして、細身のアスリート体型は食生活も超重要。
トレーニングに合わせて糖質やタンパク質を摂取するのはもちろん活動量の少ない夜間の食事や飲酒を控える必要があります。
スポーツ動作の瞬発力アップ
スクワットで鍛えた筋肉がそのままスポーツ動作に役立つかというとNO。
なぜなら、ほとんどのスポーツでは瞬発力がパフォーマンスに必要だから。
瞬発力には筋力だけではなくスピードの要素も必要です。
一方、スクワットは低速で行うトレーニングなのでそれだけで瞬発力を高めることはできません。
そこで別途、高速で行う下半身トレーニングを行う必要があります。
高速での下半身トレーニングの具体例をあげると、
- ニータックジャンプ
- フォワードスクワットジャンプ
【ニータックジャンプのやり方】
- スクワットしてしゃがむ
- しゃがんだ状態から垂直に高くジャンプする
- ジャンプすると同時に両膝を腹部に近づける
- スクワットの姿勢で着地する
上記1〜4の手順で10回を目安にできる限り素早く行います。
【フォワードスクワットジャンプのやり方】
- スクワットでしゃがむ
- しゃがんだ状態から前方に向かってジャンプする
- スクワットの姿勢で着地する
上記1〜3の手順で10回を目安にできる限り素早く行います。
どちらの種目も素早く高くジャンプするポイントは、
スクワットで鍛えたハムストリングスや大殿筋をバネのように伸び縮みさせて使うことです。
バネが限界まで伸びた後に縮むと大きな力を発揮しますが、それと同じ原理です。
身近な例だとトランポリンはその典型です。↓
スクワットジャンプに似てますね。(笑)
ケガのリスクを抑えながら高重量スクワットを行うために
スタートのポジションで必ず確認するべき3つのポイント
- 膝とつま先の向きをそろえる
- 肩甲骨を寄せて胸を張る
- 腹圧を高めて背すじを伸ばす
上記1〜3はスクワットを始める直前、つまりバーを担いだら必ず確認するべき3つのポイントです。
どれか一つでも抜けているとケガをするリスクが確実に増えます。
その理由を順番に説明します。
まずは膝とつま先の向きをそろえるについて、
膝とつま先の向きをそろえずに行った結果、最も心配されるマイナス要素はknee in toe outです。knee in toe outの状態でスクワットを行い、フォームが崩れると前十字靭帯、内側側副靭帯、内側半月板には特に負担がかかります。ですから、スタート時もそうだし動作中も膝とつま先の向きには十分注意する必要があります。
次に肩甲骨を寄せて胸を張ること、腹圧を高めて背すじを伸ばすの2つはセットで考えましょう。なぜなら肩甲骨を寄せないと背すじを伸ばすことはできないから。
そして、腹圧といえばドローインが一般的に認知されているかもしれませんがスクワットでドローインをすると腰や膝を痛める可能性が高くなります。
なぜなら、ドローインは腹横筋のみを選択的に使うエクササイズだから。
腹横筋は腰椎を安定させるインナーマッスルの一つですが、それのみでスクワット中に腰椎を安定させることはできません。他の筋肉も使う必要があります。
そこで必要なのがブレーシングです。
ドローインがお腹を凹ませながら行うのに対して、ブレーシングでは逆にお腹を膨らます。
お腹を膨らませることで腹腔内には空気がパンパンに入って膨らんだボールがあるような状態になります。(上記の写真参照)
このボールがあることで腰椎が安定した状態をキープすることができます。
こうすることで、腹横筋だけではなく横隔膜や多裂筋、骨盤底筋など他のインナーマッスルや内腹斜筋、外腹斜筋など他の腹筋群にも力が入って腰椎を安定させる力が高まります。
ブレーシングのやり方がよくわからない人は下記の動画を参考にしてみてください。
腹圧を高める方法の一つとして、腰椎ベルトを使うことでブレーシングしやすくなります。
スクワットに限らず限界に近い重さでトレーニングすると腰椎ベルトを使う人が多くなります。
腰椎ベルトをできる限りきつく締めることでお腹を膨らませやすくなるからです。
動作中に膝が内側に入るのを防ぐポイント
スクワットには以下のようなアドバイスがあります。
膝が内側に入るのはダメ!
スクワットをやったことがある人なら一度は聞いたことがあるでしょう。
理由は、膝が内側に向いたまましゃがむとknee in toe out(膝が内側を向いているのにつま先は外側を向いた姿勢)という状態になり、靭帯や軟骨へのストレスが増えるからです。
しかし、knee in toe outが起こる根本的な原因は必ずしも膝だけにあるとは限りません。
というのも上記の写真を見るとわかりますが膝が内側を向けば同時に骨盤も上半身も左右どちらかが前に倒れてきます。
そして担いでいるバーも回旋して左右どちらかが前に出てきます。
これは逆をいえば担いでいるバーを回旋させなければ上半身も骨盤も前に倒れないはずです。
そして、膝が内側に向くこともなくなるはずです。
ですから、膝という局所の部位に焦点を当てるよりはバーに焦点を合わせた方が結果的に全身のバランスを保ちやすくなります。
お尻(大殿筋)に負荷を集中させるポイント
バーを担ぐ際は第7頸椎(C7)を目安にしましょう。
バーが触れているのがC7よりも高いか低いかで重心が変化します。
高い位置で担ぐハイバーのポジションでは重心が前に移動しやすくなります。大腿四頭筋に負荷を集中させたい場合はこちらの方が適しています。
一方、上記のようにC7より低い位置で担ぐローバーのポジションでは重心を後ろにキープしやすくなります。大殿筋やハムストリングスに負荷を集中させたい場合はこちらの方が適しています。
大殿筋を鍛えてヒップアップしたいならローバー一択です。
まとめ
ゴリマッチョ体型を目指して筋肥大したいなら高重量でスクワットを行うのが最も効率的です。しかし、筋肥大の必要がないなら必ずしも高重量でスクワットを行う必要はありません。目的によっては自重や多彩なバリエーションでのスクワットの方が効果があります。それぞれのニーズに合わせたやり方を適切に行いましょう。
吉祥寺のパーソナルトレーニングジム
導[MICHIBIKI]ストレッチ&エクササイズ
筆者の紹介
名前:SHIN
トレーニング指導歴15年
主な経歴
- MLBテキサスレンジャーズのインターンシップを経験
- 総合格闘技UFCの選手に帯同し、アメリカ遠征を経験
- 拓殖大学硬式野球部コンディショニングコーチ経験
- 帝京高校硬式野球部コンディショニングコーチ経験
- 富士重工硬式野球部コンディショニングコーチ経験
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