はじめに
この記事では私が実際にトレーニング指導を行っている80代前半の女性(以降、Aさん)について書いています。
この記事を書いている私は80歳以上のクライアントへの指導歴が5年以上あります。
トレーニングを始める前にカウンセリングをしたところ、Aさんは医師から高血圧を指摘され、降圧剤を服用していました。
そこでAさんから相談されたのは以下2つ
- 血圧を正常値に近づけるような運動
- フットフィット(フットフィット・ライト)の購入
まず、前者についてはウォーキングから始めるのが一般的ですが、
変形性関節症の診断を受けており、膝と股関節に痛みが出やすいので筋トレで下半身の筋肉をつけることを優先したいとのことでした。
既往歴以外に年齢や体力面を考慮し、
自重トレーニングを中心にすれば心臓や血管に過度な負荷がかからないことを説明しました。
後者についてはもともと運動嫌いなのでゆるく続けられる方法を探していたところシックスパッドのフットフィットのことを知ったとのことでした。
フットフィットの購入を迷っている最大の理由は、
高血圧の自分が使いこなせるのか?
ちなみに、シックスパッドの公式サイトには以下の警告があります。
次のような方は必ず医師にご相談のうえ使用してください。
事故や肌・身体のトラブルのおそれがあります。
- 悪性腫瘍のある方
- 心臓疾患の既往歴がある方
- 糖尿病などによる高度な末梢循環障害による知覚障害のある方
- 脳神経に異常を感じている方(てんかんなど)
- 骨粗しょう症など、骨に異常のある方
- 脊椎ならびに脚部の骨折、ねんざ、肉離れなどの急性(疼(とう)痛性)疾患のある方
- 血圧に異常がある方
- 脚部をけがしている方、または手術したことがある方
- 介護を受けている方、または付き添いなしで日常生活ができない方
- 腰より上の体内にボルト等の金属を埋め込んでいる方
- 脚部に知覚障害や異常(感染症、皮ふ炎や傷など)のある方
- 血行障害のある方
- 脚部に刺青(タトゥー)を入れている方
- アレルギー体質の方
- 安静を必要とする方
- 身体に異常を感じている方
- 長期間、運動していない方
- その他医療機関で治療中の方
上記に当てはまらない場合でも、ご使用に不安がある方は医師に相談してください。
引用:シックスパッド公式ページ
ということでなのでかかりつけ医に相談してもらったところ、
- 担当トレーナーと綿密に連絡をとりながら使用する
- 弱い刺激から様子を見ながら使う
- 使用後の筋疲労が出なくなるまで強度を上げない
- 少しでも異常を感じたら使用をやめる
- 上記の場合、すぐに担当医に報告する
以上を条件に許可を得たとのことでした。
そこでAさんが自宅でフットフィットを使うにあたって毎日私に使用後の状況を報告してもらいながら1ヵ月継続して利用してみることになりました。
結論からいうと、血圧に対して好ましい効果が現れています。
以降では、Aさんがフットフィットを使うことで
- どのような効果が現れたのか?
- 血圧はどのように変化したのか?
について体験談を紹介していきます。
高血圧と運動についての医学的な報告の事前チェック
高血圧の程度によって運動が有効か否か変わる
実は全ての高血圧患者に運動が推奨されるわけではありません。
というのも高血圧の場合、運動がいいのか悪いのか一概に答えることは難しい。
理由は、運動が高血圧の治療に有効な場合もあれば、逆に運動すること自体が危険な場合もあるから。
しかし一般的には、いくつかの調査によって以下の見解が確かめられています。
軽~中等症の高血圧に対して適切な運動療法が血圧降下に有効
引用:医療法人有光会サトウ病院
その上で高血圧の場合に最も推奨されるのが有酸素運動です。
中でも、
- ウォーキング
- スロージョギング
- ステップ運動
この3つをすすめられることが多い。
ウォーキング
ウォーキングは多くの人にとって最もベーシックな運動です。
徒歩を必要とする手段で通勤している人は、そうでない人に比べて高血圧の発症率が17%低いという報告もあります。
ウォーキングの目標は一日30分を毎日です。
スロージョギング
文字通り軽いジョギングで
息切れしないようにする必要があります。
数値で具体的にいうと、
最大酸素摂取量の40〜60%
ここが基準になります。
この範囲を大きく超える運動は高血圧の場合は危険とされています。
一見スロージョギングは簡単なようですが気をつけるべきポイントが血圧以外にもあります。
それは膝への衝撃
軽く走ることで心臓への負担は抑えられます。
しかし、走ることで着地するときに膝(腰や足首も)に衝撃がかかります。
その衝撃を膝関節以外にも分散しないと膝にダメージが蓄積していきます。
ですから、その分散を適切に行うためにもふくらはぎや太ももの筋力が必要です。
スロージョギングしながら少しづつ筋力をつけていくこともできますが、もともとの筋力が弱いと筋力がつく前に膝や腰の痛みで走れなくなることがあります。
そこで有効活用したいのが軽い筋トレであり、ここでの議題に上っているフットフィットです。
ステップ運動
ステップ運動とは階段の上り下りを繰り返す運動です。
こちらもスロージョギングと同じで息切れには気をつけなくてはいけません。
となると、やっぱり基準は
最大酸素摂取量の40〜60%
でも、最大酸素摂取量ってどうやって測るの?
って疑問になりますよね。
安心してください。心拍数を測ることでおおよその目安がわかります。
それが以下
最大酸素摂取量50%なら最大心拍数の55〜60%
例をあげると、
年齢80歳で安静時心拍数を60と仮定した場合、
カルボーネン法を用いて計算すると、50%の強度になる心拍数は100になります。
さらに、スロージョギング同様に下半身の筋力が弱い状態で始めると膝の負担が考えられます。
ですから、並行して軽い筋トレを行いつつ、フットフィットを活用してふくらはぎや太ももの筋肉を刺激するべきです。
フットフィットを使って現れた変化
血圧について(1ヵ月経過後)
Aさんのトレーニング指導を開始する前にカウンセリングで本人から聞いた血圧に関する情報は以下、
降圧剤の服用を開始する前のアベレージ
- 収縮期血圧:約180㎜Hg
- 拡張期血圧:約100㎜Hg
降圧剤の服用を開始した後のアベレージ(2023年6月末時点)
- 収縮期血圧:約135㎜Hg
- 拡張期血圧:約85㎜Hg
フットフィットの利用開始から1ヵ月(2023年7月末時点)では収縮期、拡張期ともに血圧に大きな変化はありません。
同時に運動中やフットフィットの使用中に身体への違和感が出た様子もありませんでした。
Aさん本人も胸が苦しいとか息切れや動悸がするなどの症状は一切ないと言っているので、このまま継続して問題ないと考えています。
血圧の変化は時間がかかるので次回、3ヵ月経過後の報告を予定しています。
なお、運動にあたっては必ず実施基準を遵守しています。
引用:アンダーソン・土肥の基準
血圧以外について(1〜2週間)
まず最初に感じたのはむくみの解消
これは初めて使った直後から感じられたそうです。つまり、ふくらはぎの筋肉が刺激されたことで下半身の血流が改善され、むくみの解消につながったと考えられます。
そして最初の1〜2週間で感じられた効果として以下2点をあげています。
- 立ち上がるときに時間がかからなくなった
- 脚に力が入りやすくなった
いつも座った状態から立ち上がるときにテーブルなどに手をついてテーブルに荷重しながら立ち上がっていたのが、そこまでしなくても立ち上がれるようになったそうです。
血圧以外について(1ヵ月経過後)
駅の階段を上がるときに止まらなくなった
いつも駅のホームまで階段を上るときに途中で数回は立ち止まっていたけど、フットフィットをやるようになってからは一気に上まで上がることができるようになったそうです。
今後の課題
15分以上続けて歩くのはまだきついとのことなので、
今後はふくらはぎを中心に下半身の筋持久力を少しづつ高めていくことが課題だと考えられます。
それにはフットフィットだけよりも筋トレを併用しながら行っていく予定です。
それでは、またの機会に近況を報告します。
吉祥寺のパーソナルトレーニングジム
導[MICHIBIKI]ストレッチ&エクササイズ
筆者の紹介
名前:SHIN
トレーニング指導歴15年
主な経歴
- MLBテキサスレンジャーズのインターンシップを経験
- 総合格闘技UFCの選手に帯同し、アメリカ遠征を経験
- 拓殖大学硬式野球部コンディショニングコーチ経験
- 帝京高校硬式野球部コンディショニングコーチ経験
- 富士重工硬式野球部コンディショニングコーチ経験
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