はじめに
安いクロストレーナーで満足できるのはどんな人⁉︎
結論からいって老若男女問わず、そこそこ体力のある人が安さにこだわってクロストレーナーを購入しても充実した運動を行うことはできません。
なぜなら、安いクロストレーナーほど負荷設定など基本的な機能まで制限されているからです。
機能が制限されたクロストレーナーでも十分に目的が果たせるのは以下のような人です。
体力アップではなく体力の低下を防ぐことが目的の人
このような人は高齢者ばかりとは限りません。
40代〜50代でも運動不足な人で、なおかつ生活習慣病など何らかの理由により高強度の運動を控えるよう指示されている人もそうです。
要するに、購入する場合は以下の原理原則を理解しておく必要があります。
安い=機能が制限されている
つまり、機能が制限されているクロストレーナーでも自分の目的が果たせるなら購入しても損することはないでしょう。
その上で、どの程度まで安さを求めるのか?を考えてみてください。
安いクロストレーナーのスペックはどんなものか⁉︎
一般的には、有酸素運動が目的なら負荷の設定をどれだけの幅で行えるかが重要だし、ヒップアップが目的なら傾斜の機能が重要です。
しかし、どちらの機能にしても充実させようとすれば確実に値段が上がっていきます。特に傾斜の機能を家庭用クロストレーナーで求めるなら相当に値段は上がります。
ですから、安く購入することが最優先なら傾斜の機能はあきらめるしかありません。
となると残るは負荷のみ。
ところが安く購入することにこだわればこだわるほど負荷を調整できる範囲も上限も制限されていきます。
安さを最優先に購入する場合、負荷を設定できる範囲を必ず確認するべきです。
一般的には5万円〜6万円のクロストレーナーでは負荷の設定範囲が10段階以下になります。
負荷の上限に関してもそこそこ体力のある人には物足りない可能性が高いといえます。
私がフィットネスの現場に20年近く関わってきた経験からいうと、安さを最優先に購入する場合であっても5年以上など長いスパンで使うことを考えるなら5万円〜10万円の範囲で購入を検討するのが失敗する確率が低くなると感じています。
安いクロストレーナーを上手に選ぶコツ
ストロークとステップに注目
では、負荷や傾斜以外に運動効率を決める要素はないのか?といえば実はそんなことはありません。クロストレーナーの運動ではストロークの幅とステップの動きも運動効率に影響します。
ストロークとは両脚が前後に開く幅のこと、一方でステップとは両足を乗せている部分のこと。
この内、注目してほしいのがステップです。
ステップの動きには2パターンあります。それは
- 床に平行に動くタイプ
- 楕円の軌道を描くタイプ
ステップが床に平行に動くタイプ
ステップに乗せた足裏が床に対して平行に動くこのタイプのクロストレーナーでは膝関節がほとんど曲がることがありません。
いってみればほぼ股関節のみの動きを使って前後開脚を交互に繰り返す運動です。
身近な例としては段差がほとんどない階段を歩くようなもの。
階段は昇降運動するのが一般的ですが、段差がほとんどなければほぼ平面を歩いているのと変わりません。そして、段差がほとんどなければ平面に近いのでストロークが短くなるほど膝関節をほとんど曲げずに歩くことになります。
ちなみに一般的な階段を上がる方は後述するステップが楕円の軌道を描くタイプに例えられます。普通に上がるにしても一段飛ばしで上がるにしても平面を歩く場合よりもストロークが長くなるので膝関節の曲げ幅も広がります。
どちらが運動量が多いかは一目瞭然ですね。
ステップが楕円の軌道を描くタイプ
ステップ台が楕円の軌道を描きながら動くこのタイプのクロストレーナーでは股関節、膝関節、足首といった下半身の大きな関節を全て使うので運動効率が格段に上がります。
先述の例でいえば階段の昇降運動に近い動作なので運動量がアップします。
結論からいえば、ステップが床に平行に動くタイプの方が安価に購入できます。これはこの種の商品の最大のメリットでしょう。しかし、運動効率という点ではデメリットになります。
一方で、ステップが楕円の軌道を描くタイプの方が価格は上がりますが、5万円から10万円の間で探すことは可能です。
運動効率を重視するならステップが楕円の軌道を描くタイプで、なおかつストロークの幅ができる限り長いものを選ぶべきです。
安いクロストレーナーほど負荷の機能が制限されていますが、ステップとストロークに注目することである程度はそのデメリットをカバーできる可能性があります。
安さ重視のおすすめクロストレーナー3選
IRONMAN CLUB(鉄人倶楽部) スカイ ウォーカー
主な特徴
- 負荷を調整する機能はなく、回転数を上げて動かすだけ
- 心拍数の測定機能はないが、消費カロリーは表示される
- ペダルや高さの調節はできない
- 耐荷重80kg
- 連続使用時間は約20分
- 製品サイズは75㌢×49㌢×133㌢、重量は14kg
メリット・デメリット
安く購入できることが最大のメリットです。
ただし、以下の点に注意しましょう。
- ステップの動きは床に対して平行なので運動効率がいいとはいえない
- 負荷の調節機能がないので単調な動作を繰り返すだけ
- 心拍計の機能がないので有酸素運動の指標がない
以上のデメリットをメリットが上回るなら購入の価値ありです。
こんな方におすすめ
- とにかく安く購入したい人
- 体力アップよりも体力の低下を防ぎたい人
- 生活習慣病などが原因で高強度な運動は制限されている人
ダイヤコジャパン『クロストレーナー(SE205-43)』
特徴
- 24段階の負荷調整が可
- ストロークの幅は40㌢
- 7種類のプログラムを搭載
- 耐荷重120kg
- 連続使用時間は約60分
- 製品サイズは145㌢×52㌢×160㌢、重量は47kg
- フライホイールの重量は5.6kg
- 電動式のマグネット負荷
メリット・デメリット
マグネット負荷なので音が静か。マンション住まいで隣への騒音を気にする人にはメリットです。また、24段階の豊富な負荷調整と40㌢の十分なストローク幅、楕円の軌道を描くステップと3拍子そろってエクササイズできることは最大のメリットです。
ただし、以下の点に注意しましょう。
- マグネット負荷方式は360度どの角度でペダリングしても負荷が均一とはならない
- スポーツジムのクロストレーナーに比べて負荷は大きくない
以上のデメリットをメリットが上回るなら購入の価値ありです。
こんな方におすすめ
- 生活習慣病などによる運動制限がない人
- 心拍数を計測しながら正確に有酸素運動をしたい人
- ある程度長いスパンで長期に利用したい人
ダイヤコジャパン『クロストレーナー(SE155-30)』
特徴
- 8段階の負荷調整が可
- ストロークの幅は約36㌢
- プログラム設定なし
- 耐荷重100kg
- 連続使用時間は約60分
- 製品サイズは129㌢×64㌢×162㌢、重量は44.7kg
- フライホイールの重量は8kg
- 手動式のマグネット負荷
メリット・デメリット
筋力の弱い人が安価な値段で運動不足の解消から有酸素運動までできることが最大のメリットです。
ただし、以下の点に注意しましょう。
- 先述の上位モデルSE205-43よりも約5㌢ストローク幅が短くなる
- 股関節の可動範囲がSE205-43よりも狭くなるのでヒップアップ効果が減る
- SE205-43は電動で負荷を変更するがこちらは手動でダイヤルを回して行う
- 体力のある人には負荷が物足りなく感じる可能性が高い
- ストロークの幅が広くないのでヒップアップには向かない
以上のデメリットをメリットが上回るなら購入の価値ありです。
こんな方におすすめ
- 筋力の弱い女性や高齢者
- 最大心拍数の50%〜60%を大きく超える運動はしない人
- ヒップアップを求めない人
まとめ
クロストレーナーを安く購入することが最優先の場合は捨てなければいけないニーズがあることを覚悟しておくべきです。
価格が下がるほど負荷を設定する幅も制限されるし、傾斜の機能もなくなります。
安く買ったはいいけど安物買いの銭失いとならないように気をつけてください。
※どうせ買うなら高くても長く使える商品を!という気持ちに変化した人は以下を参考にしてくださいね。
吉祥寺のパーソナルトレーニングジム
導[MICHIBIKI]ストレッチ&エクササイズ
筆者の紹介
名前:SHIN
トレーニング指導歴15年
主な経歴
- MLBテキサスレンジャーズのインターンシップを経験
- 総合格闘技UFCの選手に帯同し、アメリカ遠征を経験
- 拓殖大学硬式野球部コンディショニングコーチ経験
- 帝京高校硬式野球部コンディショニングコーチ経験
- 富士重工硬式野球部コンディショニングコーチ経験
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