ストレッチ効果は動的か静的かで変わる。違いを理解して使い分けよう!

動的ストレッチ 豆知識

ストレッチを動的に行うか静的に行うかで効果が変わる

静的ストレッチと動的ストレッチについて

静的ストレッチとは一般的に普及しているストレッチ法で、その名の通り反動をつけずにゆっくりと行います。

さらに、腹式呼吸を意識しながらゆっくり息を吐くことで副交感神経が優位に働き、身体はリラックスするので筋肉を伸ばしやすい状態になります。

腹式呼吸がわかりにくい人は深呼吸しながら、筋肉を伸ばしているときはゆっくりと息を吐くと覚えておけば十分です。

伸ばす時間は最大30秒です。

それ以上伸ばしても得られる柔軟性に差はないからです。

一方、動的ストレッチはその名の通り動きながら行うストレッチ法です。

動きながら行うので腹式呼吸ではなく胸式呼吸になり交感神経が優位に働きます。

交感神経が優位になれば気持ちが高揚してくるので運動する前には最適な方法になります。

それぞれのストレッチによって得られる効果は他にもありますが、最低限理解しておきたいのは上記の点になります。

動的か静的かの違いを理解して使い分けると様々なニーズが満たされる

ストレッチを動的に行うべきか静的に行うかべきか

その判断基準は以下2点に注目すると使い分けが容易になります。

身体をリラックスさせるのか
関節を動きやすくしてスポーツ前の準備運動とするのか

従来、メディアで多く紹介されてきたのは静的ストレッチの方でした。

座って開脚をキープしたり、仰向けで腰を捻ってキープしたりするようなストレッチはスポーツジムでは多く見られる様子でしたが、運動前と運動後で違いをつけているような人はあまり見られませんでした。

要するに、運動前だろうと運動後だろうと座って開脚をキープしたり、仰向けで腰を捻ってキープしたりする人が少なくなかったのです。

ところが、最近ではメディアでも運動前には動的ストレッチを行う方がいいという発信が増えてきたので使い分ける人も以前よりは多くなっています。

しかし、一般の人で両者の特性や違いを理解して使い分けられている人はあまりいません。

つまり、

・静的ストレッチと動的ストレッチの違い
・動的ストレッチの種類とそれぞれの違い

この2点を理解しておくと得られる効果が全然変わってきます。

静的ストレッチと動的ストレッチの違いの一つは動きを伴うか否かということが見た目にもわかりやすい違いですが、ストレッチで得られる可動域についても明確な違いがあります。

これはどちらが大きな可動域を得られるのかということではありません。

どちらのストレッチ法も可動域の拡大には有効ですが、運動中に必要な可動域の拡大には動的ストレッチの方が効果的です。

静的ストレッチは筋肉がリラックスした状態で可動域を拡大するので、運動前には不向きとなります。

動的ストレッチの場合は筋肉に力を入れるという作業が含まれるのでリラックスした状態ではできません。

ゆえに、運動前には最適な方法となります。

では、動的ストレッチの種類とそれぞれの違いについてはどうでしょうか。

動的ストレッチが動きを伴いながら筋肉を伸ばしていくことは先述の通りですが行う際には注意することがあります。

その一つが動作のコントロールです。

動作を一定にコントロールするのか、それとも徐々にスピードを上げるのかで動的ストレッチの方法も効果も変わります。

そこで以下では、動作のコントロールに焦点を当てながら動的ストレッチの種類とそれぞれの違いについて解説していきます。

動的ストレッチとはダイナミックストレッチとバリスティックストレッチ

ダイナミックストレッチ

動的ストレッチにはダイナミックストレッチバリスティックストレッチがあります。

両者の共通点はストレッチ中に動きを伴うことです。

では違いは何か?

それぞれの特徴から違いを見ていきます。

まず、ダイナミックストレッチの特徴は、

反動をあまり使わず、一定のスピードで行う
2つの筋肉ないしはパーツをセットにする

前者はともかく後者は少しわかりにくいので以下の写真で具体例を提示します。

ハムストリングスのダイナミックストレッチ

上記①と②のでは、太もも裏側のハムストリングスをストレッチしています。

①→②→①→②→・・・という順に一定のスピードで繰り返します。

①の写真に注目すると膝が若干曲がっていることがわかりますが一方で、②の写真では上体が少し起きて膝も少し伸びています。

膝を伸ばそうとすることで太もも表側の大腿四頭筋に力が入ります。

ここで以下の特徴に話しを戻しましょう。

2つの筋肉ないしはパーツをセットにする

このダイナミックストレッチの例では、太ももの表側と裏側の筋肉(大腿四頭筋とハムストリングス)をセットにしていることになります。

つまり、表側の大腿四頭筋に力を入れながら膝の関節を伸ばしていくと裏側のハムストリングスがストレッチされることになります。

大腿四頭筋とハムストリングスについては以下を参照してください。

大腿四頭筋とハムストリングス

バリスティックストレッチ

ダイナミックストレッチでは動作のスピードを一定にコントロールする必要がありましたが、バリスティックストレッチは対照的に徐々に動作のスピードを上げていきます。

言い換えると、反動を用いながら行うが、徐々に動きを大きくしていくということです。

徐々に反動を大きくしていくことで徐々に関節の可動域を広げていき、結果的に大きな可動域を得ることができます。

バリスティックストレッチについても大腿四頭筋とハムストリングスを例に以下の写真で具体例を提示します。

バリスティックストレッチ

両者の特性を比べたときにバリスティックストレッチは反動を大きく利用するようなスポーツを行う前のウォーミングアップとして最適だといえます。

実際に、野球やサッカーのプロチームや社会人や学生の強豪チームでは練習や試合前のルーティンになっています。

日本人メジャーリーガーの前田健太投手のマエケン体操は肩甲骨のバリスティックストレッチです。

バリスティックストレッチを行う際に注意しておきたいのは伸張反射を起こさないことです。

伸長反射とは筋肉が限界を超えて伸ばされると逆に縮む現象です。

要するに伸ばし過ぎには注意しよう🙅‍♀️

ということです。

また、過去に膝をケガして関節が緩んでいるなどの不安定要素がある場合も注意が必要です。

動的ストレッチと静的ストレッチの具体例

静的ストレッチの具体例

静的ストレッチの例

 

上記の写真で伸ばしているパーツは左からふくらはぎ、ハムストリングス、大腿四頭筋です。

伸ばす際は筋肉の起始停止を意識すると効果的です。

起始・・・身体の中心に近い側

停止・・・身体の末端に近い側

以下はふくらはぎの腓腹筋を例にした起始と停止です。

筋肉の起始と停止

静的ストレッチで伸ばす時間は最大30秒です。

ダイナミックストレッチの具体例

ハムストリングスのダイナミックストレッチ

ダイナミックストレッチ

手順

お尻を膝の高さまで下ろしてしゃがみ、つま先を両手でつかむ
膝を伸ばして大腿四頭筋に力を入れる※伸ばしきれなくてもよい
※10回を目安に行う

注意点

かかとを浮かさないように行う
動作をコントロールして一定のスピードで行う

僧帽筋上部のダイナミックストレッチ

ダイナミックストレッチ

手順

両腕を真上に伸ばす
両腕を曲げながら真下に動かす
※10回を目安に行う

注意点

左右の手のひらを向かい合わせて行う
両腕を身体の真横で動かす
動作をコントロールして一定のスピードで行う

バリスティックストレッチの具体例

大腿四頭筋とハムストリングスのバリスティックストレッチ

バリスティックストレッチ

手順

片足を床から浮かす
浮かした方の脚を前後に動かす
※10回を目安に行う

注意点

片足立ちが不安定なら、片手を壁に付けて行う
上半身の動きを反動に利用しながら徐々に脚を大きく動かしていく
伸長反射が起きるほど動かさない

肩甲骨の内転と外転のバリスティックストレッチ

バリスティックストレッチ

手順

両足を腰幅に開いて上半身を前傾させる
鳥が羽ばたくように両腕を動かす
※10回を目安に行う

注意点

前傾姿勢は股関節の可動域を十分に使ってとる
上半身の角度を反動に利用しながら徐々に両腕を大きく動かしていく
伸長反射が起きるほど動かさない

まとめ

ストレッチの目的が何かを明確にしておくと、静的に行うか動的に行うかを判断しやすくなります。

なぜなら、運動前なのに静的ストレッチでじっくり伸ばして筋肉がリラックスしてしまえば関節を支える力が低下してケガにつながることがあるからです。

また、運動後にリラックスしようとしているなら動的ストレッチは不適です。

静的ストレッチを行うときは反動をつけずにゆっくりと深呼吸しながら伸ばしましょう。

動的ストレッチをダイナミックに行うかバリスティックに行うかは目的以外に個人の体力レベルや既往歴を考慮した上で選択してください。

どの方法で行っても目的とやり方が適切なら効果を得ることができます。

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