ドライバーの飛距離が出ない。打数を減らすためにも距離を稼げるようになりたい。そのためにヘッドスピードを上げたいからどんな筋トレが効果的か教えてください!
こんな疑問にお答えします。
本記事の内容
・ヘッドスピードを上げる仕組みについて理解すべし
・ヘッドスピードを上げるのに重要なのは体重移動と回転
・筋トレをヘッドスピードに反映できないパターン
・ヘッドスピードを上げる筋トレに関するよくある質問2つ
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、トレーニング指導歴15年ほどです。都内のスポーツジムでパーソナルトレーナーを経験しながら野球、ゴルフを中心にスイング系スポーツのトレーニング指導をプロ・アマ問わずに行ってきました。その他、総合格闘技のトレーナーやファッションモデル、芸能関係のトレーニング指導も経験しています。
今回は、ヘッドスピードを上げてドライバーの飛距離をアップさせるための筋トレについて解説します。
スイングの仕組みをフェーズ毎に分解しつつ、具体的にはどのように筋トレをすればいいのか分かりやすくお話する予定です。
(注)本記事では右打ちゴルファーを基準にしております。左打ちの人は左右の違いに注意してください。
ゴルフのヘッドスピードを筋トレで上げるなら体重移動と回転に注目
体重移動の力を強くする筋トレ
体重移動で重要なことは以下2つです。
・右足にできる限り体重を乗せながら地面を蹴って大きな力を発揮する
・始動と同時に右足に乗っていた体重の一部を左足にも移す
まず、地面を蹴って大きな力を発揮するためにはどんな筋トレが有効か?
最も優れた筋トレの一つはスクワットです。
それも大きな力を発揮することだけにフォーカスするなら自体重ではなく、以下のようにできる限り重いバーベルを担いでスクワットを行う方が効果的です。
しかし、大きな力を発揮するだけではヘッドスピードにはつなげられません。
スイングではトップの位置から始動するときに右足から左足へ体重移動が始まりますが、スクワットではそれがないからです。
ですから、次にやるべきことは発揮した力を体重移動によって移し換える作業です。
具体的にいうと、右足→左足、もしくは左足→右足といった具合に左右の足に交互に体重を移し換える作業です。
これができるようになればスクワットで得られたパワーを体重移動につなげる準備が整います。
やるべき筋トレは以下の3種目です。
ラテラルスクワット、サイドステップ、反復横跳び
まず、ラテラルスクワットですがこちらは先のスクワットとは違い、重たいバーベルなどの高負荷は不要です。
なぜなら、大きな力を発揮することではなく生み出した力を移し換える作業だからです。
具体的なやり方は以下の動画で確認できます。
続いてサイドステップです。
こちらもラテラルスクワットと同様の理由で重たいバーベルなどの高負荷は不要です。
具体的なやり方は以下の動画で確認できます。
最後は反復横跳びですが、学生時代のスポーツテストのようなやり方とは異なり、タイムや回数を追求する必要はありません。
重要なことは、右足→左足、もしくは左足→右足という具合に生み出した力をできる限り素早く移し換えることです。
具体的なやり方は以下の動画で確認できます。
回転の力を強くする筋トレ
回転動作をマスターする上で最も優れた筋トレは上記のようにジャンプしながら行う素早いボディーターンです。
これはスクワットやデッドリフトのような直線的な力の発揮ではなく、かつ低速で行うトレーニングでもありません。
自分の体を瞬発力で高速に回転させるトレーニングです。
ですから、前述の筋トレ種目より競技特性が強くなります。
つまり、プロゴルファーを目指すような人、アマであっても高いレベルでゴルフをしたい人が対象になります。
具体的なやり方を以下の動画で解説します。
メディスンボールを投げる筋トレ種目には注意
上記のようなメディスンボールを投げる筋トレ種目が回転力を上げるトレーニングとして紹介されることは少なくありません。
しかし、ゴルフのヘッドスピードを上げる筋トレとしてはおすすめしません。
なぜなら、メディスンボールは最軽量の1kgであってもその形と大きさがゴルフクラブのグリップとは全く違うからです。
ゴルフクラブのグリップは両手の指の関節のほとんどを曲げて握りますが、メディスンボールを投げる際にゴルフクラブを握るように指でメディスンボールを握ることはありません。
というより、メディスンボールを投げる際はボールを指で握るのではなく指全体をじゃんけんパーのような形にして両手で抱え、投げるときは最終的に指先で押し出すようにボールは手から離れます。
この傾向はメディスンボールの重量が重くなるほど強くなります。
メディスンボールを真っ直ぐ前方に押し出して投げるような運動を目的としているなら問題ありませんが、ゴルフのように指の関節を巧みに使って全身を回転させるスイング動作にはマイナスに作用する可能性があります。
以上を身近な例も交えながら以下の動画で解説しています。
ゴルフのヘッドスピードを上げるために利用できるツール
スイング練習器
ヘッドスピードが最大になった時に音で知らせてくれます。
インパクトゾーンで音が鳴れば、インパクトでヘッドスピードが最大になっているのがわかります。
正しいポイントで音を鳴らすように練習すれば飛距離もアップします。
ゴルフ弾道測定器
プロゴルフのような軌跡追尾が可能です。
レーダーでボールを追尾しiPhone/iPadの高性能カメラでデータ解析します。
弾道軌跡以外に飛距離、ボール初速、クラブスピード、打出角度、打出方向も測定可能。
対応機種:iPhone8以降/iPad2019モデル以降(Androidは対象外)
利用場所:屋外のみ
※口コミのコメントも非常に評判良いです。
おすすめドライバー
ヘッドスピードにこだわりたい人にドライバーを紹介します。
※注文する際はシャフトの硬さやメンズ・レディースなどを確認してください。
ヘッドスピードを上げる筋トレに関するよくある質問2つ
右肘の使い方を筋トレで矯正できるの?
結論からいうと、右肘の使い方をボディーターンのトレーニングで矯正することは可能です。
しかし、筋トレ以前にヘッドスピードを上げる前提としてトップの位置から始動すると同時に右肘は以下3点にしたがって動かす必要があります。
・少なくともインパクト終了までは曲げたまま動かす
・身体の中心線(上記、写真の赤線)の周りで動かす
・できる限り身体の中心線に近づけながら動かす
上記のどれか一つでも崩れれば、スイングの軌道も変わるので最大に加速するポイントでボールを打つことはできません。
なぜなら、右肘が身体の中心線から離れた状態でスイングすればインパクトのゾーンがズレるからです。
ヘッドスピードをいくら上げても最大限に加速するポイントでボールを打つことができなくなります。
つまり、最大限に加速する前に打つことになるので飛距離アップにはつながりません。
この右肘の使い方は先述のボディーターンのトレーニング動画で解説しています。
トレーニングのポイントは、ジャンプから回転に移る瞬間に右肘を身体の中心に近づけるようにターンすることです。
左の壁ってボディーターンでマスターできるの?
結論からいって、左の壁をボディーターンのトレーニングでマスターすることはできません。
正確にいうと、スイングに左の壁という概念は必ずしも必要ではありません。
なぜかといえば、それが誤解を招きやすいアドバイスだからです。
左の壁を意識することで人によってはフォローの動きを妨げる可能性があります。
左の壁を作りなさいというアドバイスは、主にインパクト前に左半身が早く開いてしまうゴルファーの癖を矯正させる意図があると考えられます。
しかし、もし仮に左の壁を作ったまま体重移動や回転をしてスイングすればどうなるでしょうか?
当然、体重移動や回転で生み出された力が遮断されます。
例えるなら、高速道路を走っている自動車に急ブレーキがかかるイメージです。
高速で走っている自動車に急ブレーキがかかれば力の逃げ所を確保できないので中に乗っている人が吹っ飛ばされたり荷物が散乱したりします。
ゴルフも同じことです。
左の壁でヘッドスピードに急ブレーキをかければ膝、腰、肩などの関節に過剰なストレスがかかり遅かれ早かれ違和感や痛みとなって現れます。
ですから、それを回避するには左の壁を解放しなければなりません。
より具体的にいえば、右足から左足に移した体重をフォローに合わせて逃がすということです。
それにはインパクト後に左足に体重が乗り切った状態でフォローを迎えてはダメです。
これをやってしまうと下記の写真のように左半身で不要な左の壁をいつまでも残してしまい、回転をブロックしてしまいます。
つまり、右足から左足に体重を移した後にも左足に体重をしっかり乗せたままでいるとヘッドスピードを加速させる力ではなくブレーキとなる力が働くので、ヘッドスピードは上がりません。
もっと簡単にいえば、インパクト後も左足に体重をしっかり残すのはNGということです。
左足に乗っていた体重を逃がさないと腰や膝や肩を痛めるかスウェーにつながります。
回転の力を高めるトレーニングとして既にボディーターンのやり方を解説していますが、回転の力が大きくなればなるほど減速という動作が重要になってきます。
適度に減速することで腰や膝や肩に負担をかけずに回転の力を逃すことができます。
以下の動画はボディーターンのトレーニングにおける減速の仕方です。
上記の動画では10kgほどのバーを担いでボディーターンしているので回転と同時にバーの先端に遠心力が作用し、回転の力が大きくなっています。
ですから、着地した後も脚を動かしてバーの回転を減速させています。
これは腰や膝に負担をかけないためです。
この減速の様子をゴルフスイングに当てはめればインパクからフォローでの左足の使い方に注目することになります。
左足の使い方は人それぞれですが、大まかに特徴を分けると以下①〜④の4通りです。
①左足の裏が地面からほとんど離れない → 例:渋野日向子プロ
チャンネル:ama sou
ここに注目❗️:1:00〜1:20
②左足の内側だけ地面から離れる → 例:松山英樹プロ
チャンネル:lexusjpchannel
ここに注目❗️:1:55〜2:05
③左足のかかと以外地面から離れている → 例:崔虎星(チェホソン)プロ
チャンネル:golf swing& lesson
ここに注目❗️:0:35〜0:45
④左足全体が地面から離れている → レキシー・トンプソン※敬称略
チャンネル:World Golf Swing Channel
ここに注目❗️:0:40〜0:45
4者4様の使い方ですが、これは各自の関節可動域など身体的特徴から最適な方法をそれぞれに選択した結果だと思われます。
実際には、①や②が教科書的だとされています。
しかし、股関節の可動域の狭い人が①や②をやっているとスウェーが起きたり、腰や膝や肩の負担につながります。
ですから、自分の可動域を考慮した上で減速の仕方、つまり左足の使い方を工夫するべきです。
以上を整理すると、左の壁を意識することで好結果を残せている人を除いて、左の壁という概念は不要です。
ゴルフなどのスイングでは左の壁ではなく減速を意識していただきたいと思います。
減速については、先のボディーターンのトレーニングで練習可能です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
体重移動と回転がヘッドスピードを上げる上では重要なことがおわかりいただけたと思います。
特に回転力を上げる筋トレは競技特性が強くなるので一般レベルとはいえません。
ですから、プロゴルファーを目指すような人でなければトレーニングに十分の時間を割けない可能性が高いので無理にトライしない方がいいかもしれません。
打球の正確性という課題は残りますが、体重移動を強化するだけでもある程度は飛距離もアップします。
ですから、自分がどのくらいのレベルを目指しているのかを明確にして取り組んでください。
吉祥寺のパーソナルトレーニングジム
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