スクワットマジックの効果と引き締めについてスクワットと比較
スクワットをより簡単に行えるスクワットマジック
最近、話題のエクササイズツールにスクワットマジックがあります。
私自身もパーソナルトレーナーという職業柄、クライアントの方から
こんな質問を受けることが少なくありません。
最初に断っておくと、私自身がスクワットマジックを通常トレーニングで効果が出るとされるスパン(2〜3ヶ月)で使用したことはありません。
試しに上に乗ってポンポンしてみた程度です。
しかし、私にもトレーニング指導の専門という自負はあるのでいくらか感じることはありました。
その上で、私の意見を言います。
結論を先に言うと、
しかし、
変形性関節症などを患っていて膝の曲げ伸ばしに支障がある
股関節を手術により人工関節にしたばかりで長時間歩けない
上記のような条件に当てはまる人には、その状況が改善するまではベストになり得る
というのが私の意見です。
ですから、膝や股関節に疾患もなく健全な人で、ウエストや下半身を引き締めたい人には最適なツールには思えません。
また、太ももの筋肉に効いているからといってウエストやお尻にも効果があるとは限りません。
このようなフレーズをそのままの意味として解釈するのは注意が必要だと思います。
例えば、スクワット動作で背すじが曲がったり骨盤の傾き具合が少し変わるだけでもお尻には全然効かずに太ももの前側だけに負荷が集中するからです。
スクワットマジックよりもスクワットをした方がいい人
あなたがスクワットを自体重で5回以上できるなら、そちらを選ぶ方が絶対に効率的です。
理由は、その方が太ももだけではなくお尻や体幹の筋肉をしっかり使うからです。
問題になるのは正しいフォームでできるかですが、
上の写真のように自体重で行うスクワットで腰や膝に過剰な負荷がかかることはありません。
柔軟性や筋力に不安があれば、
この2点を留意してやれば大丈夫です。✌️
ですから、やりながら少しづつフォームを修正していけば問題ありません。
最初から深くしゃがまなくてもいいし、脚が疲労でパンパンになるほど多くの回数を行う必要もありません。
スクワットを正しいフォームで行うには、少なくとも以下の点に注意する必要があります。
※全て上の写真を基準にしています。
事前に確認するポイント
⑴両足の幅、つま先の向き
→腰幅よりもやや広く、つま先はやや外向き
⑵両手の幅、両肘の向き
→肩や首の力みなく握れる幅、後方を向く
動作中に確認するポイント
⑴膝とつま先の向き
→同じ方向を向いている
⑵上半身の角度
→上の写真参照
⑶重心の安定
→上の写真のように足首の真上にバーがあれば重心は安定する
スクワットマジックよりも複雑に感じられるかもしれませんが、キレイにかつバランスよく全体を引き締めたいなら必須です。
そもそも、スクワットとは簡単にすぐに正しいフォームでできるエクササイズではありません。
やり始めから完璧なフォームでできるはずがないのです。
ですから、腰や膝に負担の少ない自体重スクワットで少しずつフォームを修正していけばいいのです。
本気で引き締めを考えているなら、安易に楽や簡単という方に流れるべきではありません。
スクワットで効果があるのは下半身だけじゃない
スクワットで強化できる部位として一般的に認知されているのは、
お尻・太もも・ふくらはぎ
教科書的には上記の3部位が最もクローズアップされています。
しかし、これは下半身にのみ注目した回答です。
実はこれら以外に背中も引き締め強化ができるのです。
ところが、お尻・太もも・ふくらはぎに比べると背中は見落とされがちです。
ですが、背中の引き締めはお尻の引き締めと密接に関連しています。
もちろん、太ももやふくらはぎにもです。
スクワットでは、お尻と背中に注目です!
スクワット=下半身のトレーニング
もしそんな先入観があれば、背中も強化対象になることを付け加えましょう。
背中を引き締めずして、お尻が引き締まることはありません。
スクワットマジックについて思うこと
初級編の使用ついて
そこに座る
↓
トランポリンの要領でアップダウンする
↓
衝撃が吸収されて関節への負担が軽減される
↓
テレビを見ながらいつでも気軽にできる
(注)上記のイラストはスクワットマジックのイメージです。実際の商品とは異なります。
以上で、ウエスト、ヒップ、太ももの引き締めができる。
というのがスクワットマジックのメリットだとされています。
また、
初級編、中級編、上級編
といった具合に付属のマニュアルがあるようです。
実際、私が上に乗ってポンポンしてみた感想としては、初級編の使用法であっても太ももの前側にはしっかり刺激が入る感覚はありました。
しかし、通常のスクワットとは全く別の運動をしているようにも感じました。
私が感じた両者の違いを端的にいいます。
スクワットマジック初級編
・空気イスをして耐えている感じに似ている。
・太ももの前側の力だけで踏ん張って耐えているような感じ。
・太ももの裏側や内側に力が入る感覚がない。
・構造的に重心※が前にいきやすいからお尻に効く気がしない。
※重心とは、その点が安定すれば他全てが安定する点です。
スクワット
・重心が前後に移動しないように安定させて行う。
・重心が安定しているから背中やお尻にもしっかり力が入る。
以下は重心の安定したスクワットです。
ちなみに、重心が前後に移動する感覚を確かめるには、以下のようにすれば簡単に確認できます。
重心が前→つま先立ちでスクワット
重心が後→つま先を浮かせてスクワット
いずれにしろ太ももの前側に大きな負荷がかかるはずです。
結論としては、スクワットマジック初級編で引き締まる可能性が高いのは太ももの前側です。
背中やお尻も含めてバランスよく引き締まることは考えにくいと思います。
重心が前に移動したままポンポンするだけでは、スクワットのようにバランスよく背中やお尻に力が入ることはないからです。
スクワットマジック中級編、上級編について
中級編や上級編に進めばチューブの設定を変えたり、ダンベルを使ったり姿勢を変化させたりバリエーションも増えるようですが、ここで疑問があります。
中級編や上級編で用いるようなやり方をしなくても、以下のような片足スクワットというエクササイズを行えば、スクワットマジックと同等かそれ以上の効果は出せます。
少なくとも片足スクワットでの効果が下回ることは考えにくいと思います。
初級編にしても股関節、膝、足首に荷重することに問題がないなら、スクワットマジックではなく以下のようにバランスボールを壁と背中の間に入れてもたれるウォールスクワットで代用できます。
バランスボールを介して壁に体重を預けているので、通常のスクワットよりも腰や膝にかかる負荷が軽減されます。
バランスボールがあれば簡単にできます!
スクワットマジックとスクワットの使い分け
背中とお尻を引き締めるのが最優先ならスクワットをお勧めします。
もちろん、自体重で結構です。
太ももやふくらはぎの引き締めであっても、太ももの前側・裏側・内側のようにバランスよく引き締めたいならこちらもスクワットをお勧めします。
ですから、整形外科的な疾患がない40代50代の女性はスクワットを選択することをお勧めします。
しかし、人によっては自体重でもスクワットができない場合もあり得ます。
例えば、
上記のような場合であれば膝や股関節への荷重を制限しながら太ももの筋肉量を回復させていくべきです。
そのような場合にスクワットマジックを用いれば膝や股関節に過度な負担をかけずに下半身の筋肉をトレーニングできると考えられます。
まとめ
スクワットマジックだけに限ったことではありませんが、どんなものにもメリットとデメリットがあります。
あなたの目的は何か。
まずはそこをはっきりさせてください。
その点がクリアになればあなたにとってスクワットマジックが最適か否かがわかるはずです。
吉祥寺のパーソナルトレーニングジム
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